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耐震性と4号特例

先日、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が公表した結果が
ある意味、衝撃的な事実だったが、ある意味では当然の結果。
『2000年以前の木造住宅、9割超が耐震不足 木耐協調査』
と言うもの。
これは、ある意味では業界の未熟さを露呈した結果ともとれる。
そもそも、耐震性と言う言葉の捉え方が一般の人と専門家では
少なからずズレがあると思う。
その大きな要素の一つに『4号特例』と言う言葉がある。
木造の一般的な住宅は、建築基準法上『4号建築』というカテゴリーの中で
法のチェックを受けていく。
では、『4号特例』とはどういう事か?

高度経済成長期、住宅をどんどん建てろ!的な動きが、国を挙げて行われていた。
その事業の過程で、あまり難しい事ばかりに気を取られていると、事業が滞る。
当時はGDPの2割を建設業が担おうとしていた頃。誰でも簡単に建てる側になれる仕組みを
作る必要があった。(これがそもそもの間違いな気はするが・・・)
そういう世論の後押しもあったかどうかは定かでないが、結果、住宅に関しては建築士任せで
構造計算やその他細かい法令に関しても、手続き上は特例として省略して良いようになった。
それが今の『4号特例』、あくまでも手続き上。本来はそれらも全てチェックすべき事は法でも
謳われているが、チェックはされない。(4号特例を廃止しよう!と言う建築士もたくさんいる)
チェックはされないと、良心なき業者はチェックもしない。
現に、住宅の基礎の構造計算を行っている工務店、設計事務所はどれくらいあるだろうか?
ほとんどの業者は仕様規定(ルールに則った仕様)を使う、でも実際計算をすると足りないところもある。
そうして省略された簡易な構造チェックの下で、多くの住宅は建っている。
それを法律が許している現実。
耐震診断では、床倍率なる水平力の検討が考慮されているが、『4号特例』では省略されている。
当然、水平力の検討をしてない住宅は、耐震診断では『耐力不足』となる。
そういう事は一切公表されないし、されても理解はされない。
耐震性を気にするユーザーは多い割に、耐震補強にお金を出す人は少ない現実もある。
とてももどかしい。
ただ、我々のような業界人が、一般の人が理解しやすいように説明を重ねていくしかない。
せめて、これから家を建てていく人は、『耐震診断』を新築でかけてみると、どういう結果に
なりますか?と言う問いかけは必要かと思う。
我々も、せめて新築する場合品確法程度の構造チェックはしていくべきだと思う。

あまりにもどかしい記事だった為、長文にて失礼いたしました。


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| 工事中 | 12:58 │Comments0 | Trackbacks0編集

材料



このモジャモジャな材料。

一体何に使うのか?

建物の見えない部分に使う材料。

欧米諸国では標準仕様になりつつあるもの。

最近、見えない部分の材料に気を使う

見えないと言う事は、そう簡単に直せないと言う事。

10年後、20年後、30年後、建物を支えているのは

こういう見えない部分の材料。

出来れば、見える所より、見えないところにお金を掛けたい。

フジセッケイの家では、標準仕様になるか!?

しっかし、良く考えるね~。

天パーの自分には、親近感も・・・(笑)。



| 建築学 | 20:20 │Comments0 | Trackbacks0編集

リノベーション

2014-08-18 11.29.31


昨今、中古住宅市場への関心が高まっている。

逆に言うと、中古住宅市場をいかに活用するか

この国の命題とも言える。

古本、古着、中古車など、この30年で市場が拡大したいわゆるUSEDジャンルは多い。

しかし、中古住宅の分野では、イマイチ感が否めない。

それは、住宅に関する情報の交通整理がされていない

色々な法律が絡み合って、理解しづらい。

隠ぺい体質にある業界への不信。

耐震性や、老朽化へ対する懸念。

そういう様々な要素が、二の足を踏ませている気がする。

良いところ、悪いところを、ちゃんと情報開示して

法的要件をかみ砕いて、分かりやすく説明する。

そういう説明努力が、もっと必要な気がする。

新築しても、リノベーションでも、建物が万能な分けでは無く

使い手の意識次第で、良くもなれば、悪くもなる。

でも、最近では『リノベーション』と言う言葉によって、お洒落感も増し

少しとっつきやすくなった気もする。

車と同じように、住まいも住み替える事が手軽になると

もっと楽しい世の中になる気がする。

リノベーションなら、そういう事も可能になっていくと思う。

不安材料を払拭する為に、我々のような存在を上手く活用してください。












| 工事中 | 13:29 │Comments0 | Trackbacks0編集

既存ストック

昨今、日本は家余りの状況が加速している。

この流れは、今後一層加速する。

そんな中、色々な側面を勘案して、『既存ストックの活用』と言う

一般の方には聞き慣れない言葉が多く使われ始めている。

要は中古住宅市場の活性化。

法改正も進みつつあり、インスペクション業務の活用も増えつつある。

修繕履歴などを明確にする不動産屋さんも出始めている。

我々の仕事は、新築してもらった方がありがたいのは正直なところだが

客観的に考えて、中古市場は消費者へのメリットが大きいと思う。

中古自動車のように、直しながら住む。10年で乗り換える。

そんな事が一般的になると良いと思うし、何しろ楽しい。

我々のような職能を上手く取りこむ事で、より安価に、より快適な住居を

手にする事が出来ると思う。





| 日々の出来事 | 08:10 │Comments0 | Trackbacks0編集

現場の温度



無事にメインアリーナの基礎工事も終わり、配筋の立ち上げ。

今回は、大スパンの建物の為、柱も大きめ、配筋も太め。

そんな一本数十キロもある鉄筋を数人がかりで持ち上げて

鉄を溶かしながら繋いでいきます。

現場ではあちらこちらで火を噴いてます(笑)

躯体工事をやっている時が、一番現場の温度も上がる気がします。

土や鉄、水。そんなもの達と格闘してる時が、一番現場の温度が上がる気がします。

ある意味、もっとも大事な工程。












| 工事中 | 18:36 │Comments0 | Trackbacks0編集

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プロフィール

フジ建築設計事務所

Author:フジ建築設計事務所
真面目な設計事務所
 (静岡県御殿場市)

・住宅、商業建築、
 官庁建築など
 建築設計業務全般

HP:www.fujisekkei.org

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